「名詞化がよくわからない!」とお悩みの方へ

対象プログラム: YouCanSpeak

名詞はコミュニケーションをとるにあたってなくてはならない(ないと不便)言葉の道具です。では、「名詞とはなんですか?」と聞かれたら、皆様はすぐに答えられますか?「日本人」「東京」「アイスクリーム」は、「人」「場所」「物」の名前を表す普通名詞(common noun)です。一方、「織田信長」「東京スカイツリー」「チョコミントアイス」は固有名詞(proper noun)で普通名詞より具体的に特定の人や物を指しています。ここまでは、特に問題ありませんね?

名詞化には様々なパターンがありますが、あえて3パターンに絞り込んで説明したいと思います。

名詞化のからくり①:名詞の修飾(特定化)

では、次の文章に含まれる名詞はなんでしょうか?

The cat sleeps all day. (#1013)

もちろん、cat(猫)ですね。特に猫の名前を書いていないので普通名詞です。簡単ですね。

では、この文章を名詞化してみましょう。 The cat that sleeps all day(一日中寝る猫)になります。「猫」という名詞が修飾されました。the cat sleeps all dayでは、どの猫を指しているか曖昧な部分がありますが、修飾された名詞文「一日中寝る猫 」を読めば、具体的にどの猫を指しているか判ります。この例文の他にも、that cat(あの猫)、Taro's cat(太郎の猫)、the cat on the bench(ベンチの上に居る猫)、the cat in the neighbor's garden digging a hole(隣の庭で穴を掘っている猫)も文章の名詞化と言えます。文章の中に他の名詞、副詞、形容詞などを含めることができます。また、名詞文の長さに制限はありません。とても長い装飾をすることは可能ですが、あまり長いと文章が判りにくくなってしまいます。


名詞化のからくり②:Very important/I forgot方式

文章や表現が、名詞の働きをする名詞文かどうかを見分ける簡単な方法もあります。

YouCanSpeakを開発したドクター・キノシタ(文学博士)はこれをVery important/I forgot方式と呼んでいます。この方式では、主語の部分あるいは目的語の部分に名詞化された表現を挿入したときに、どちらか一方の意味が通じればその表現が名詞化されたものであることが判ります。


(主語) is very important.

I forgot (目的語).


例えば to teach Englishという表現が名詞の役割をしているか試してみましょう。この表現の場合、To teach English is very importantでもI forgot to teach Englishのいずれも文章として意味が通じますね。

続いてwhat it is good forという表現はどうでしょうか?この表現もどちらのパターンでも意味が通じますね→ what it is good for is very important / I forgot what it is good for. この方式を使えば簡単に名詞文か否かを判断することができます。


名詞化のからくり③:代名詞の働きをしている

名詞というコンセプトが単純明快なのに対して、名詞化された文章の特徴をとらえるのが難しいという方が多いのには理由があります。それは、名詞文は名詞を違う観点から見る必要があるからです。最初に名詞文が名詞を修飾しているパターンをみましたが、次に名詞文が代名詞の働きをしている場合をみてみましょう。

まず、代名詞の役割を簡単に理解するために、次の文章を読んでみてください。

John went to John's favorite restaurant and ordered a drink as soon as John sat down.

3度もJohnという固有名詞が出てくるので、文章がクドいですね。Johnという男性が3人居る場合は別ですが、この文章ではhis・heという代名詞を使った方がすっきりします。

John went to his favorite restaurant and ordered a drink as soon as he sat down.

たいぶ文章がすっきりしたのではないでしょうか?代名詞を使って言葉のバリエーションを持たせただけで文章が読み易くなりました。このように、代名詞の基本コンセプトもそれほど難しくはありませんね。

それでは、文章が代名詞の働きをするとはどういうことなのか。

YouCanSpeakの文章の名詞化のからくりを理解する為に、 簡単な質疑応答をみてみましょう。質問文にはそれぞれ、名詞と名詞文があります(青字で表示)。まず、質問に対する答えは代名詞を使わずに答えてみます。

Q: Do you like the forest over there?
A: Yes, the forest over there is nice.
Q: Do you like living in a forest?
A: Yes, I like living in a forest.

このやりとりに特に複雑なことはありませんね。質問にある名詞をそのまま答えに引用する形をとっています。ここで、「ちょっと待った!Forest(森)が名詞なのはわかるけど、the forest over there(あそこにある森)とliving in a forest(森に住むこと)が何故名詞なのかがそもそも判りません!」と感じた貴方は天才です。ただ、ご安心ください。間もなくその理由がわかります。今の質問の答えを名詞使わずに代名詞に置き換えてみるとどうなるでしょうか?(覚えていますか?名詞化された文章を理解する鍵は、その文章が代名詞の働きをしているか否かです。)

Q: Do you like the forest over there?
A: Yes, that is nice.
Q: Do you like living in a forest?
A: Yes, I like it.

最初の質疑応答と比べてみるとよくわかると思いますが、that, itは代名詞です。もとの答えにあった名詞と置き換えたものです。名詞と代名詞は置き換えることができます。即ち、この文章の場合that, itなどの代名詞に置き換えることができるthe forest over thereやliving in a forestは「名詞文」であるということなるのです。

Getting up early(早く起きること)という文章(#1004)も名詞文ですが、先程の例から何故、この文章が名詞なのか答えを自分なりに導きだすことはできますか?(自分で導きだすのは重要はプロセスです)。

答えを知る為に「早く起きることは健康によいですか?」という文章をまず作ってみましょう。

Q: Is getting up early good for health?

この質問に

A: Yes, getting up early is good for health.

と答えることもできますが(正解が見えてきましたか?)答えるときに getting up earlyをitという代名詞に置き換えることもできます。よって、Getting up early(早く起きること)も名詞文です。

A: Yes, it is good for health.

「文章の名詞化は複雑だし、実用性が無く、意味が無い」と感じていた方もからくりがわかると意外と簡単だと思っていただけたでしょうか。しかも、皆様の想像以上に日常会話の中に「名詞文」が頻繁に登場しています。



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